ということで今回は、「盛り上がる会話に到る方法」を考えていこう。
まずは「質問力と聞く力」について考えよう。
まず、会話を不自然に途切れさせないことが大切、そことで問われるのが「質問力であり、聞く力」ですね。
質問の種類
質問と一口に言っても、いろんな質問があります、大きく分けて…
- きっかけの質問
- 掘り下げの質問
- 展開の質問
きっかけの質問は会話を始めるための質問。掘り下げの質問は、きっかけの質問から相手の回答を聞き、その回答に対してまた問う質問。そして展開の質問は、きっかけの質問からスタートした会話を離れたところへ着地させるための話題転換の質問です。
会話が盛り上がったあとって、「あれ?何話しててこんな話になったんやっけ?」となったりしますよね。あれは途中で展開の質問が関与している可能性大、それを意識して使えればかなり会話力を強化できるはずです。
質問する力だけあっても会話は盛り上がらない、大切なのは「聞く力」
当たり前ですが、質問する力だけあっても会話は盛り上がりません。ここで大切なのは「聞く力」です。
んー、合ってるようで少し違う気がするんですよねその認識。
自分が喋ることによって盛り上がるのは好きでしょうけど、ただ喋らされてるだけならそれはもう面接のようなもの…アウトプットしてその返りがないと疲れるんですよね。
↑それはまさしく「一問一答」パターンの人と会話してしまった時の感じですね。
一問一答パターンをぼくは「履歴書会話」と呼んでいるのですが、こんな感じ。
「どこ出身?」「へー」「大学は?」「へー」「バイトしてるん?」「へー」「趣味は?」「へー」
ただただ質問をして、場の沈黙を埋めているだけの会話…というかもはや会話とも呼べない気もします。
先ほどの質問の種類でいうところの「きっかけの質問」を単発で撃ちまくってるだけの状態です。
個別にみると質問自体が悪いわけじゃない気がします、回答してもらってそのリアクションができていないのが問題なんです。
質問を次から次へ、聞いておいてインプットされてない感じで次の質問へ…これがまずい。
インプットしたのであれば、インプットしましたよというのを相手に知らせながら会話を進めていかないと、せっかく回答してくれた人が「え?なんの質問だったの?」ともやもやてしまう。
ということで質問の種類の2つ目「掘り下げの質問」を利用していきましょう。
例…
「どこ出身ですか?」
『青森です』
「よく言われるでしょうけど、りんごですね」
『たしかによく言われます笑 おじいちゃんはリンゴジュース作ってます』
「へぇー、自分のブランドでってことですか?すごい!」
『すごくないですよ笑』
…
とこんな感じで『青森です』を聞き流さず「りんごですね」と、『おじいちゃんがリンゴのジュース作ってます』には「自分のブランドですか?すごい!」というふうに回答を掘り下げる質問をしていく感じになります。
「きちんと相手の話を聞いて理解して、それをもとに次の質問をする」それが大事です。
その通り!
*このとき、「よく言われるでしょうけど」とかのベタな会話のクッションになる前置きすること、「すごい!」のような感情を乗せて出す言葉を使うこともポイントです。
その通り!
と基本の「聞く会話」がわかったところで、少し攻めた「展開する会話」にいきましょうか。
会話を展開(転回)させる。
起承転結でいうところの「転」..一番盛り上がるところ、それを作りましょう。
「きっかけの質問」「掘り下げる質問」で、“起、承”ときたわけですが、どうやって「転」に向かうか…
先ほどの会話の例から入ってみましょう。
会話の展開(転回)の会話例…
…
「オトコ」『オンナ』まだ距離のあるバイトの同期2人っていう設定にしときます。
…
「どこ出身ですか?」
『青森です』
「よく言われるでしょうけど、りんごですね笑」
『たしかによく言われます笑 おじいちゃんはリンゴジュース作ってます』
「へぇー自分のブランドっていうことですか?すごい!」
『すごくないですよ笑』
「すごいですよ、検索したら出てきますか?」
『どーなんですかね?』
「ブランド名なんですか?」
『赤のねぶたです』
「ねぶた?ねぶたって、ねぶた祭りのねぶたですよね、見てみたいなぁ、祇園祭のいかついバージョン」
『そんなふうに思ってるんですか笑』
「見たことないけど、そう思ってました」
『全然違いますよ笑』
「え、てことは祇園祭行ったことあるんですか?」
『いや、ないですけど笑』
「ないんかい笑」
『遠いですからね』
「いままでで1番遠くの祭りどこ行ったことある?」
『なんですかその質問 笑 そんな質問初めてされましたよ笑』
「やんね笑 おれも初めてしたし、これから先もすることもないと思う笑 で、どこ?」
『気になってるんですね笑 』
「気になってるよー、この人史上1番遠くの祭り経験は何百キロ先なんかなーと思ってふわふわしてるよ」
『何百キロとかわからないですけど、メキシコです』
「メキシコ!?メキシコってメキシコ!?あの、アメリカで悪いことして国境超え逆転無罪を狙うメキシコ?」
『無罪にはならないでしょうけど、そのメキシコですよ笑』
「へぇー、もしかして死者の祭り?」
『え!?そうです!!なんで知ってるんですか笑笑』
「007で出てきて、めっちゃかっこいいなと思ってて覚えてた」
『え、私も見ましたー!それで行ってきましたー!』
「行動力やば!フットワークの軽さ007と一緒やん」
『それは言い過ぎです笑』
…
2人の距離、確実に縮まったはずです。手札もかなり残し、余裕のある会話になりました。この2人はまだまだ喋れそうですね。
解説を交えながら順に羅列してきますね。
- 「出身地どこ?」→『青森』→「りんごやね」→『おじいちゃんがジュース作ってます』→「そのジュースなんて名前?」→『赤のねぶた』
- 「祇園祭のいかついバージョン?」ココから転回していきました…
- 相手にも、少しくだけた感じで言ったのが伝わってるので、会話が少しずつくだけだします。
- 『祇園祭とは全然違う』→「行ったことあるん?」→『ない』→「ないんかい」このやりとりでグッと距離を詰めました。
- そこそこ距離を詰められたので、さらにくだけていきます…
- 「自分史上1番遠い祭りどこ?」→『何その質問 笑』
- …相手がこちらの小ボケに反応して返してきてたらかなり良い感じです。
- 『メキシコ』「メキシコ!?」まさかのメキシコ、ここで返していければ大チャンス。
- 「アメリカで罪犯して国境超えたら無罪になるメキシコ?」と、映画の知識丸出しのコメントで返して、相手の映画知識を推し量ります。
- そして「死者の祭り」というマニアック情報を出すと、これが運良くヒット
- 相手もまさか知ってると思ってないですから『なんで知ってる?』となります。
- 素直に「007」の知識であることを伝えると、『私も見た!』『それを見ていった!』ということでした…
どうでしょう?すごく転回できたでしょ?
転回は多少の強引さも必要な時があるけど、その時にクッションとなるようなフレーズで転回していくのがポイントです。
じゃないと、質問を連打してるだけになってしまうので…ボケっぽくしながら、相手との関係を作りながら、そして相手の情報を集めていくのです。
その結果、この会話はまだ続きそうですが、そのあとでも手札が残ってると思います。
そうですね、ここで手札をあえてキープしておいてまた次回にでも使っていけばいいと思います。
ということで…転回の重要性が伝わりましたでしょうか?
今日はここまでです。
ありがとうございました。