どうにかする方法、ありますよ…ひとつは根本的に考え方を変えること。もうひとつは緊張をうまくごまかすこと。
根本的に考え方を変えること…根治を推奨するので、前半に紹介しましょう。
後半では、特効薬となる緊張を緩和させるコツを紹介いたします。
緊張のメカニズムを知って、緊張しないマインドセットをしよう
人前に出ると緊張する、「あがり症」に関しては原因、メカニズムが解明されています。
まずは緊張のメカニズムを知ろう
「あがり症」は「自意識過剰」になることで引き起こる症状…
そして「自意識過剰」を引き起こすのは「自己好感(好意を持ってもらいたい感情)」「自己重要感(大切な人として認められたい感情)」「自己有能感(できる人間として評価されたい感情)」です。
原因がその3つの感情ということがわかれば、それらの感情を抑えてあげれば「あがり症」を克服できるということになります。
そうですね、もう少しシンプルにいきたいですね。
つまり、緊張は「承認欲求」からきているといえる。
これら3つの感情って結局のところ「相手に認められたい」ということですよね。
「相手に認めてもらいたい」がゆえに緊張してしまい、自分が描いていたパフォーマンスを発揮できなくて、結局認められない…
これってすごく残念ですよね…この「認められたい」のせいで「認められない」ことになってしまう。
そうなりますね。
「認められたい」はどうにか捨てたい思いです。
ところで「相手に認められる」ために自分にできることってなんでしょうか?
相手に「認めてくれ」とお願いすることでしょうか?
もちろん違いますよね。
相手に何かを認めて欲しいなら「自分自身の行動で示す」しかないわけです。
「相手に認められたい」という思いからこない「自分自身の行動」とはなんなのかを考える必要がありそうですね。
「自分の課題」をこなすことだけに向き合い行動しようとするとき、「他人の評価」は自分の行動のオマケであることに気づくはず。
大事なのは「自分の課題」をこなすこと。
ということで、まずは「自分の課題」をはっきりさせましょう。
大切なのは「相手の評価」を気にすることなく「自分の課題」をきちんと誠心誠意こなすこと。
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そのへんの話は「アドラーの課題の分離」の話で解説で。
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緊張を軽減させるための方法
そうですよね、解決策が分かってもなかなか今までの考え方をすぐにガラッと変えることで、今目の前に迫る緊張に対処することは難しい。
そこで、ここでは僕の芸人時代の経験から緊張をかわすコツをいくつか紹介いたしましょう。
第一声を自分が思ってるより大きい声で発声する
「声は場を支配する」それくらいの思いで臨んでもいいと思います。
震えてる声では、「相手に緊張を気付かれた、あー…」と、その緊張を悟られてしまったことに対してメモリを使ってしまうとあとに響く…それを避けるために第一声をしっかりと発声する。
そして大きく発したつもりの第一声も、意外と小さかったりもする…大きく発したつもりがそれが適した音量くらいって感じで…それならそれでいい。
そういうつもりで僕はやってましたけど、調べてみると脳のメカニズム的にも有益であることがわかりました。
その理由は大きな声を発することで脳・意識を緊張から逸らすことができるということ。
さらに、人間は大きな声を出すことで心も大きくなるメカニズムがあるからです。
これから緊張するなと思った時には“場”に縮こまってしまわないように、自分を自分の大きさで保てるように大きな声を出すつもりでいきましょう。
緊張したら見えないところで発散させる
緊張が表に出て、相手に悟られることでさらに緊張に拍車がかかってしまう…
なぜ、緊張がバレるのか…ひとつは見た感じで「緊張している」とわかるからです。
では、それを見た感じでわからなくすればいい。
見た感じでわかる場合には、「表情」「姿勢」「動き」などで、自分の心にある緊張をアウトプットしてしまってるわけです…
そこで、ぼくは緊張をアウトプットする場所を変えました。
バレないところ「舌」「足の指」で緊張を発散することにしたのです。
緊張した時に表情が強張ったり、拳を握ったり…してしまうことあるんじゃないでしょうか?
それと同じようなことを相手に見えない「口の中」「靴の中」でするのです。
舌をグッと上顎に押し付けたりしても表情は変わらず保つことができますし、靴の中で足の指を丸めて握ってもバレることはありません。
思う存分、相手にわからないところで緊張を発散させましょう。
緊張は隠さずに言う
緊張がバレてもいいことである以上、隠す必要もないのだから、それを隠さずに言ってしまうのもありです。
緊張を隠す処理にあてるメモリを使わなくて済みます。
それに、緊張していることはそもそも悪いことではないし、誰にでもあるものなので共感もしてもらえます。
そして、緊張しているという、開示によって相手も心を開きやすくなる可能性も上がります。
もちろん舞台で台詞がある時など、隠す必要がある「課題」の時には使えません…
緊張は生理現象で誰にでもあるものと理解する
緊張は誰にでも起こる「生理現象」です。
誰にでも起こるからこそ、その姿に共感することもある。
人に「共感される姿」を持っていることは武器にもなる。
好みにもよりますが、ぼくはそうやって「緊張」してでも前に出る人は好きです。
台本は丸暗記せず要点をメモしてお守りにする
台本の丸暗記これはおすすめしません。
もちろんそれが「課題」であるならするしかないですよ。
でも要点、意味が伝わればいい、表現がニュアンスが変わっても大丈夫な「課題」であれば台本の丸暗記は避けることがおすすめです。
なぜなら予定通りにことが進まなかった時に、台本丸暗記では対応するのが困難だからです。
大事な要点をきちんと把握しましょう。
もちろん台本は大切ですし、ものごとが台本通りに進むことばかりであればそれでいい。
でも、そううまく運ばない時も…台本のシナリオが、邪魔された時に次のセリフをどうするか、そのアドリブができるようにしておく。
本当に伝えたいことはなんなのか、要点をはっきりさせる。
その要点以外は柔軟に変化していいものだと構えておく。
要点だけを手書きでメモしてお守りにすることがぼくのオススメです。
要点をメモすることで、忘れないようにする力を強めることができ、要点が何かをはっきりさせることができる…
さらに万が一何か起きて、頭の中が真っ白になったとしても、そのメモを見ればいい…そう思うことで心に余裕も生まれる。
…
以上です。
後半の“緊張しないコツ”はわかりやすくてすぐ使えるものばかりですが、前半の考え方が大切なのでそちらも意識していただければと思います。